ボサノバ  - 青春の輝き?

ブラジルでボサノバが誕生してから半世紀ほど経つんですね。意外ですが、ブラジル国内ではボサノバが聞かれることは少ないらしいです。ブラジルに住んでいる日本人の方が実情を伝えています。「Rioの生活」と言うブログ:http://ameblo.jp/filhadedeus/entry-10391064529.html

ボサノバの誕生に関係した人と言えば、ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビム、ナラ・レオン、アストラッド・ジルベルト、カルロス・リラ、ホベルト・メネスカル等が挙げられます。実は、これらの人は皆、良い家の生まれらしいです。ジョビムを例に取れば、生家には16代に及ぶ家系図があったそうです。ナラ・レオンはコパカバーナの浜辺にある高級マンションに住んでいたとのこと。 みんな20歳代、30歳を少し超えた若さです。青春です。この若さが新しいリズム、ボサノバを生み出した、のでしょう。

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上流階級のインテリはサンバのリズムに飽き足らず、新しいリズムを作りだそうとし、ボサノバが生まれた。実情はもっと複雑なものでしょうが、ボサノバ誕生の荒筋です。一方、別の世界もありました。激しいサンバのリズムで浮世を忘れたい貧しい人々も、いたのです。この富裕層と中間層・貧困層の軋轢は昔から続いていたようです。現在のブラジルは10%の富裕層が80%以上の国の富を所有している、と言われています。この状態が治安の乱れ、犯罪の増加の原因なんですね。

現在、ブラジルで好まれる音楽は:
● セルタネージャ (ブラジルのカントリーミュージック)
● MPB(ブラジルのポピュラー音楽、Musica Popular Brasileira)
● ロック
● サンバ
などなど。
この数字にボサノバが含まれていない、のを見るとブラジル国内ではボサノバが本当に聞かれていないんですね。MPBはボサノバ誕生以降のポピュラー音楽を意味しているそうで、ボサノバはMPBに入ってしまう、のかもしれません。

ジョビムとナラ・レオンは亡くなっています。他のボサノバ・ミュージシャンも年令は80歳に近いです。青春の輝き、青春のけだるさ、青春の苦しみ、それがボサノバなのかもしれません。

フランスの哲学者、ジャン・ポール・サルトルの言葉:
●青春とは、実に奇妙なものだ。外を見ると、赤く輝いているが、内から見ても、何も感じられない。